Photogrammetryでなんかやってる人

Photogrammetryから心理学、人類学までいろいろ話したかった

Photogrammetryでできること、ゲーム/CG業界以外で

今回はPhotogrammetryで何ができるかをテーマにお話したい。

 

一応(今月末まで)大学院にいる身なので、普段頻繁にGoogle Scholarで「Photogrammetry/フォトグラメトリ/三次元計測/写真測量法」などで検索していて、

日本語で書かれた文献だったら多分だいぶ読んでいるので、自分が修論を書いた際に参考になった論文を紹介したい。

 

eprints.lib.hokudai.ac.jp

 

フォトグラメトリーで動物の化石をスキャンしてそれをベースに生体復元模型を作った研究。従来の手法はアナログで模型を作ったり、高価なスキャナーを使ってスキャンしたりするけど。この研究は「123D catch(現在はReCap )」を使って骨のReconstructionをした。スキャニング方法がまだまだ甘いけど(2016年の古い?研究なので)、現存するもので過去にあったものを3DCGで再現する考え方が大変ためになった。

 

www.yuzankaku.co.jp

 

3D技術と考古学。

考古学では一昔はアナログの手実測で計測したり、レーザースキャナーで距離を図ったりしているが、近年はPhotogrammetryで遺跡全体を記録する事例も出ている。

その中で、個人的に面白かったのは「PEAKITによる考古遺物の視覚表現」と「九州出土の中世中国系瓦の三次元記録と検討」。以下覚え書き。

私はPEAKITを使ったことないけど、見た目はCavity Mapと似てて、恐らくCGでいうNormal  MapとCavity Mapを組み合わせた感じ?。

http://sakuratokintaro.blogspot.com/2011/08/peakit-3d.html?m=1  「PEAKITに関する説明。」

 

「九州出土の中世中国系瓦の三次元記録と検討」のほうはデジタルのほうで2つの瓦を比較してそれらは同じ系列のものだったのかを探る研究、またそれぞれ一部欠損した瓦を合わせたり昔の瓦を推測する。アナログの場合はかなり複雑で人の目に頼る作業だけど、スキャンしたデータなら楽かつ照合精度が高い。

 

 

www.book61.co.jp

 

 <目次>を見てみると内容の被り?が増えてきてることがわかるけど…個人的に気になるのが

山口欧志「文化財情報の収集と可視化」の山口さんが2018年4月から立命で教鞭を執ることに… Photogrammetryの文化財への応用事例をもっと見たい。

 

 

 

www.jstage.jst.go.jp

 

人が写真を見ながらなにを考えてるのだろう。

人がPhotogrammetryで作られたモデル(私はそれを3D写真と呼びたい)を見ながらなにを考えてるのだろう。

 

写真と比べて、Photogrammetryのモデルは圧倒的な情報量を持つ。

たとえPhotogrammetry処理前の写真群を除いたとしても。(その大前提はスキャニング精度が低くないこと…())

 

2次元地図だけで想像を膨らませることが可能なのは,一定のリテラシーをもつ人々に限られてしまう可能性もある.本研究で提示したように,3次元景観情報を活用することで,視点を3次元空間でダイナミックに移動して表現し,対象とする現象の位置関係も含めて,より多様な閲覧者が古景観を直感的に理解する補助となる.これは,古景観を空間的に拡張して想像,すなわち地理的想像を膨らませ,閲覧者自身が独自の景観復原を行う仕組みともいえる.

 

これは地図だけに限らず、過去の情景や人物、文化財に至るまで様々な対象に適用できる。例えば私の研究の場合は古いおくどさんをスキャンして、それのテクスチャを取り除いた状態を人に見せた(また自分で分析した)。写真よりはもちろん、実物よりもスキャンしたモデルのほうがむしろより多くの記憶を喚起してもらえた。(自分のやった事例は今のところ1個しかなくて、もっとやりたい…)

 

 

 

最後に…

historicengland.org.uk

 

こういうチュートリアルを日本で誰か作ってくれ…というか公的機関が作ってくれ…